貴方の悪夢引き受けます

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4.  ……バスの中は同じ大学に通っている生徒達でぎゅうぎゅうだった。椅子に座るタイミングを逃してしまったから自分より背が高い人達にサンドイッチの具みたいにむぎゅっと挟まれながら 早く家の近くのバス停に着け〜! と高橋は心の中で必死に叫んだ。 満員電車ならぬ満員バスも息苦しいったらない。ようやく到着した家の近くのバス停に降りて大きく深呼吸していると 「すみません」と誰かに声をかけられた。 まさかまた佐藤(あいつ)!? ビクッとして振り返ると声をかけてきたのは嫌いなあいつではなく… 「お嬢さんこの人知ってるよね?と言うか友達でしょ?」 見知らぬ男が二人立っていた。胡散臭い笑顔を振り撒きながら…。プロの警察官じゃなくても分かる、この二人は危ない仕事をしている男達だと言う事を。話しかけてきた男からする強いタバコとエキゾチックな濃いめの香水の臭いに う"っ と気持ち悪さを感じながら高橋は無意識に後ろに後退った。 「よく見てよ、この写真に写ってる子。お嬢さんのお友達で間違いないよね?」 男達が見せてきた写真の人物を見て高橋は目を丸くした。写真に写っていたのは高橋が知らない男女のグループで食事していた時に誰かが撮ったらしいその皆で楽しそうにピースしている眞知子だったからだ。
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