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「きっ、聞いてないですよっそんな話しっ!!」
「んな事 俺達に言われてもねぇ」
「証明書にキミの名前が書かれてあんだからとにもかくにも西岡の代わりに返してもらわないとぉ…」
「わっ、わわ私そんなお金持ってないです!!」
「なら作るしかない…よねぇ?」タバコを咥えていた男がにやぁっと口元に笑みを浮かべた。
高橋はゾッとなってごくりと生唾を飲み込んだ。「……つ、作る?」
いくら最近まで高校生してた高橋だって テレビで色んなサスペンスドラマだ映画だなんだって色々見てる。男の言ってる意味が全く分からないと言うわけじゃないって事だ。思わず後ろに下がると男達はすかさず「さっ、行こうか」と高橋の腕を掴んで歩き出した。
「ちょっちょっと待って下さい!」
「だーいじょぶ大丈夫。あんたパッと見ど素人さんっぽいから?初心者慣れしてる上手で優しい穏やか系の俳優さん達が多い事務所に連れてってあげるからさぁ」
「嫌っ!ちょっと離して…!」
「俺達こう見えて優しいから社長さんにはハード系はパスしてもらえるように頼んどいてやっから安心しなって、な?」
「だから離してってば!!警察呼びますよ!?」
「両腕捕まれて身動き取れないこの状態でよく言えたねぇ?感心感心」
「へぇ。肝座ってる子は嫌いじゃないぜ?あ、事務所行って初めまして捨てる前に俺らと一回ホテル行って予行練習しとくかぁ?」
「馬鹿言わないで下さい!とにかく離してってば!私本当に何にも眞知子の事知らなくて…」
取り返しがつかなくなる前に逃げなくては!高橋は出せる限りの力を振り絞って全力でジタバタ暴れ始めた。するとその時、
「あのぅ、すみませ〜ん」
3人の頭上らへんから誰かの声がした。3人が顔を上げるとそこのフェンスから身を乗り出した佐藤が「高橋さんおかえり」と呑気に にこにこしながら手を振っていた。
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