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「なに?どこにあるの?」
「あそこに…」
「誰かゴミ袋でも捨ててったんじゃない?」と吉田が言った。
「でもゴミ袋にしては何か形変じゃないですか?」
「それどこにあるって?」今井がもう一度聞くと「あの茂みのあたりです」と後輩の一人が指差した。
確かによくみると膨れ上がった黒い袋のようなものが転がっているのが見えた。
今井はそこへ歩いて行くと「マジか、行くのかよ、しゃあねぇなぁ、もう」と吉田は今井の後ろをついて行った。
「…何かしら、これ?」
「…なぁんか、やべぇ臭いするな」
「やばい臭いって?何にも臭いしないわよ?」
「そう言う臭いじゃなくって…。ほら“事件の香り”的な?」
「やめてよ!」
「冗談だって!」
本気で怖がっている今井に吉田が笑って言うと 次の瞬間 激しい突風が吹いた。
二人の目の前で黒い袋が捲りあがり 中に入っていた何かを見た二人は目を丸くして驚くと揃って「わあぁぁぁっ!!」と叫んだ。
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