貴方の悪夢引き受けます

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 「では、彼女は西岡眞知子さんで間違いないですね?」 「は、はい…多分…」 間違いなく と頷なかったのは眞知子が亡くなってしまった事を信じたくなかったからだった。 佐藤の自宅でへとへとになりながら白川達と百円玉の枚数を数えていた最中 突然携帯にかかってきた知らない番号に首を傾げていると佐藤から「それ、M県警の番号ですよ」と教えられたので半信半疑で一応出てみると確認してもらいたいモノがあると言われ 高橋は(一人で行くのは嫌だったから仕方なく)“白川”に付き添ってもらって 吉田達が騒いでいたあの場所に歩いてやって来ていた。 「失礼ですが、貴方と西岡さんのご関係を伺っても?」 「あっ、はい。えっと、高校の時からの友達です。今も同じ大学に通ってて…」 「なるほど…友人関係…っと…」 三十代くらいの見た目が爽やかな男性刑事は頷きながらメモを取っていると 高橋の隣で天敵である警察に囲まれてそわそわしている白川が気になって視線を上げた。 「…貴方何処かでお見かけしたような…?以前どこかで私と会いませんでした?」 獲物を狙う蛇のような目でじろりと見られた白川は「え"っ!?」とギクリとした。 白川はこんなとこ鼻から来たくなんてなかった。だがしかし佐藤宅で主人不在の中 ヤ○ザを居座らせて百円玉を数えさせとくのも防犯上宜しくない。そんなこんなでどうしても事件現場に一人で行きたくないと駄々をこねて煩い高橋に佐藤はジャンケンで負けた白川を無理矢理くっつけて無理矢理背中を押して無理してここへ一緒について行かせた。だから白川は今 敵に囲まれるはめになっていた。
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