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「高橋さん、こちらの方は?」
刑事の名前は琴森千智。琴森は白川について高橋に尋ねた。
「あっこの人は…」
『良いか!?警察に聞かれても俺の事べらべら言うんじゃねぇぞ!?』
高橋はここに来る途中で白川からきつくそう言われたのを思い出して咄嗟に「兄です!」と答えていた。
は? と白川の方は目を丸くして驚いている。
「お兄さんですか?」
「はっ、はい、そうなんです!」
生まれつき嘘を吐くのが大の苦手な高橋の方はもうどうにかなれ状態だ。
「では一応、お兄さんの名前をお伺いしても?」
「えっとぉ、俺…僕はですね…」
「えぇ」琴森は白川を真顔で見つめながら頷き返している。
「とっ、斗夢です!高橋斗夢です!」
はぁ!? と白川は目の前に慌てて飛び出してきた高橋を見下ろしてまたびっくりした。
「羅夢さんに、斗夢さん…兄妹で似たようなお名前…。ふふっ、大変仲が宜しいんですね」
にこっ と微笑む琴森に「はい!そうなんです!」と二人は仲良く(?)抱き合って笑みを返した。
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