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レストラン
「芳恵〜じゃあレストランに行こうか」
裕司は芳恵に言った。
「うん。行こう楽しみだな〜どんな店かしら裕司が選んだ店だもんね。きっとお洒落で料理が美味しいんだろうな〜。西麻布ってなんとなくお洒落なお店しかないようなイメージだしね」
裕司は言った「そうだね。芳恵の20代最後の誕生日だからね。心に残るバースディにしたかっ
たんだ。そして芳恵に話したい事があるんだ」
芳恵は「私に?何?」
裕司は言った「それは食事を食べながらゆっくりと話したいからねまだ、言えないよ」
芳恵はもしかして?プロポーズ?だとしたら返事はオッケーだよ。もう私も今日で20代最後なんだし、そろそろ結婚しないと出産とかも心配だしね。楽しみだなー。どんなプロポーズしてくれ
るんだろう。なんだかドキドキしてきた。
芳恵がそんな事を考えてると裕司は言った。
「顔赤いけど大丈夫?風邪?熱とか?」そう言うと芳恵の額に裕司は手を載せた。「熱はないようだけど?念の為、明日とか病院に行った方がいいかもしれないね」芳恵は「わかった」裕司にそう言った。
そして「今日レストラン行っても大丈夫?さっき顔が赤かったから」裕司が芳恵にそう言うと「大丈夫だよ。早く行こう。私、楽しみにしてたんだから」芳恵は裕司にそう言うと早歩きで歩いた。
あ〜プロポーズの事考えてたら身体が熱くなったわ。きっとプロポーズよ私の年齢を考えるとそろそろだもんね。
芳恵の頭の中は裕司がプロポーズしてくれるはずだと言う考えで一杯だった。
暫く行くと目的のフレンチ料理が自慢のレストランに着いた。お洒落なベルがドアを開けるとチャリンチャリンと響き渡る。
そして二人の前にボーイが歩いて来た。
裕司はボーイに言った。「予約した桜庭ですが」
ボーイは「桜庭様二名ですね。お席に案内いたします。こちらです」二人はボーイに案内されるまま窓際の席の前に来た。
「こちらでございます。ただいま料理をお運びいたしますね。最後のデザートのお飲み物は珈琲か紅茶にいたしますがどちらにいたしますか?」裕司と芳恵は「珈琲でお願いします」そう答えた。
「お料理はフレンチコースとなっておりますの
順番に前菜からお運びいたします。その前に桜庭様がご注文いたしましたワインを別のものが持って参りますので。それでは私はこれで」ボーイはそう言うと二人の席を離れた。
暫くすると別のボーイが二人の前に現れた「こちらは裕司様が注文し彼女様の誕生日のビンテージワインです。さっぱりとした喉越しで女性の方に人気の商品です。
それではお注ぎいたします」
そう言うとボーイはワイングラスに1995年とラベルが貼られているワインをゆっくりと注いだ。
そして「ではゆっくりと楽しんでください」
そう言うとボーイは二人の席から離れた。
二人がワインで乾杯してからワインを口に含むと芳恵は言った「何?話って」
裕司は「料理はコースだよ。最後のデザートになった時に話すよ」
芳恵は「わかった」口ではそう言ったがまだかな?プロポーズどきどきするなー。早く言ってよ。こんなにどきどきしてるんだから芳恵は心の中で呟いた。
料理は前菜からはじまって肉料理魚料理と次々と二人のテーブルに運ばれて来た。
そしていよいよバースディケーキと珈琲が二人のテーブルに運ばれて来た。
芳恵は言った「もうデザートだよ。話って何?」
裕司は芳恵に言った「今度、芳恵のレストランに食べに行きたいな〜いつまで隠してるの?芳恵本当は料理人なんじゃないの?小さな雑貨屋さん
なんて嘘だよね?」
芳恵は言った「知ってたの?そう、料理出来ないなんて嘘だよ。裕司が料理人だからどうしても言えなくて」
裕司は「前からもしかしたら?って思ってたんだ。何も嘘なんてつかなくてもいいじゃん。芳恵〜君は知らないだろうけどこの動画見て」
そう言うと芳恵に自分の携帯を見せた。
裕司が芳恵に見せた動画はバズチャンネルって言う今人気のYouTubeだった。
そこには芳恵の店の動画が配信されていた。
お客の誰かが店内を勝手に撮った画像や行列ができてる画像が配信されていた。そして料理人として私が料理を作っている。見えるキッチンも配信されていた。
「ごめんなさい裕司〜なかなか言えなくて」
裕司は言った「これだけ行列が出来る和食店はなかなかないよ。芳恵〜桜庭グループに入らないか?僕がフランス料理で芳恵が和食料理二人でお店を大きくしようよ」
芳恵は言った「合併って事?私の店は私の店よ。合併なんて出来ない」
裕司に芳恵はそう言うと裕司は言った。
「わかった。結婚したら桜庭になるけど、合併になるのかな?」
芳恵は頬を赤らめ身体中が熱くなったのを感じた
「結婚は別よ」
芳恵は裕司にそう言った。
その時、裕司の携帯が鳴った。
「ごめんちょっと待っててこんな時に」
芳恵は「いいよ。いいよ。緊急かもしれないし」
「ごめん直ぐ戻る」
そう言うと裕司は店の外に出て行って携帯電話の着信を押した。その電話の相手はユーチューバーの友人だった「上手く言ったよ。ちゃんとプロポーズできたよ。ありがとうあの動画教えてくれて。まさか彼女が料理人だとは思わなかったよ。俺、奥手じゃんどんなプロポーズがいいか思いつかなくてねー。今度酒奢るよ。じゃあ彼女が待ってるから」
裕司はそう言って友人からの着信を切ると芳恵のところに急いで戻った。
完
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