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空
町を歩いていると草むらに看板が立て掛けてあった。
「空あります。」
空あります。とは何だろうか?
空を売っているのであろうか。
いやいや、看板を再度読んでみる。
上の方に小さな文字で
「 駐車場
空あります。」
ああ、ソラではなくアキか。
駐車場空あります。
だ。
なんだ。読み違いか。
だが、空あります。
だったら、どんな物語が展開されるのだろうか。
緑の原っぱか、もしくはゴミゴミとした町の路地裏の小さな店か
白と黒の獏がいてさ。
そうそう、夢を食べる獏。
でさ、獏が客人の今日見た夢をさ、こう吸い取って風船に閉じ込めてくれるの。
移す?かな。
あの長い鼻をさ、頭に押し付けてそこから、何か吸い出すんだよ。
今度はそれをさ、風船にふー、てっ入れてくれんの。
いい夢だったら、虹が入ってるんだよ。
夕焼け空とか青空とか、怖い夢は雷雲とか。
でさ、その風船を持って帰ってさ
部屋にぷかりと浮かべるの。
んでさ、それをさ
ほけーと眺めたいよねぇ。
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