王太子の正体

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「アンジェ様、いえ、クリスティーナ様。黙っていて本当に申し訳ありませんでした」 ディナーの後、部屋に戻ると、ロザリーが深々と頭を下げた。 「いいのよ、ロザリー。黙っていて正解よ。そこで口を割るようでは、この先私も信頼出来ないもの。それと、私の呼び名はアンジェのままでも構わないわ。好きに呼んでね」 「まあ、なんてお優しいお言葉。本当にありがとうございます」 これからもよろしくね、と笑いかけてから、クリスティーナは寝衣に着替えた。 「今日はお疲れですよね。さあ、どうぞベッドへ」 「ありがとう、ロザリー。おやすみなさい」 「おやすみなさいませ、アンジェ様」 ロザリーの言葉を聞き終わらないうちに、クリスティーナは深い眠りに落ちた。
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