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『もしもし』
『お母さん!どうしよう、私の車盗まれた!』
『ええ?本当に?』
流石に母も驚いた声を出した。
『本当だよ!置いた場所に車がないんだもん!』
『停めた場所、勘違いしてない?』
『してない!分かりやすいところに停めたもん!』
私は必死に訴えかけた。
絶対に間違えてない!
『駐輪場がすぐ横にある所に停めたもん!』
『あー。でも他の駐車場も自転車置き場がある所あるわよ。そこと勘違いしてない?』
母に言われて私は焦る。
役場には出入り口が2ヶ所あり、似たような出入り口で、役場の中も作り直して少し迷路の様にはなっている。
もしかして入った所とは別の場所に出てしまったのかもしれない。
『そうかな。もう1つの立体に停めたのかも』
『そっちも確認してごらん』
『うん、わかった』
私は一旦電話を切ると、もう一度役場の中に戻り、他の出口から駐車場に向かった。
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