見つからない

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でもあきらかに、そこは来た駐車場とは違った。 薄暗くて灰色の壁。 なんだか車もあまり停まっていない。 ほとんど使われていない感じだった。 なんだか薄気味悪いなぁ。 絶対こっちには停めてないよ。 そうは思っても、もしかしたら盗まれて他の駐車場に移されている可能性もあるので、チェックだけはするかと思った。 ただ、エレベーターが見当たらないので、私は狭い階段を登って2階のスペースに向かった。 階段を上がると鉄のドアがあり、私はその重たいドアを開けた。 すると、駐車場にいたはずなのに、また建物の中に戻ってしまった。 「あれ?こっちは体育館だったのかな」 役場の建物には町営の体育館がくっついていて、中学生の頃までは、部活の大会などでよく使っていた。 久しぶりに来たので、体育館の感じが変わっていた。 改めて来ると、使われていない時間は、こんなに薄暗いんだと少しだけゾッとする。 「駐車場探さないと」 体育館の建物から廊下に出て、再び駐車場に戻ろうとした時、トレーニングルームが目に入った。 男性が数人、ランニングシャツに短パンという、どことなく古めかしい姿で、古臭いトレーニングマシンを使っていた。 「あ!すみません」 狭い階段を登ろうとした時、すれ違う男性とぶつかってしまったが、相手は私を見ることなく降りて行った。 なんなの! 感じ悪い。 とにかく外に出ないとと、ドアを見つけて開けてみると暗い駐車場に出た。 なんか、嫌な空気。 でもこの上は確か屋上だよね。 私は車を探さなければと、不気味に感じている場所に足を踏み入れた。
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