やっぱり友達

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「リルウちゃん!?」ミリキアはすぐに電話が繋がったことに驚いて、早口に問いかける。 「大丈夫? ヘンな人にイヤなことされてない?」 「え? されてないって。アンタ、何をそんなに妄想してんのさ」リルウが笑うと、それを聞いたフロウガンも笑い出した。「お前、どんだけオーバーな反応してんだよ!」 「オーバー、すぎ?」 ミリキアは言葉を失った。3人がここにいないことを心配するのがオーバーな反応、と言われてもピンとこなかった。 「もう1回言うよ。今日は4月1日でしょ?」 「うん」 「4月1日は、何の日?」 「え? エイプリルフール……?」 ミリキアはつぶやいた瞬間にすべてを理解し、「え~!? 噓だったの~!?」と大声を上げた。 「事件に巻き込まれたのが噓って、それはさすがにひどいよ!」 「いやいやいや、それはアンタが勝手に妄想しただけでしょ!」 リルウはプンプン怒るミリキアに、かくれんぼをするフリをしてみんなで逃げ出す計画だったことを説明し、なんとかなだめた。それから自分たちの居場所を教えて、電話を切った。 ミリキアがコンビニに着いたのは、約5分後だった。髪の毛から足の先まで汗びっしょりになって、目を赤くしながら駆け込んできた。 「もう……本気で心配したんだから」 安心したのか呆れたのか、ミリキアは全身にどっと疲れを感じてその場に座り込んだ。 「まあまあ。これあげるから」 リルウが差し出したのは、イチゴ味のミルクプリンだった。果実がそのまま上に載っていて、それを支えるスポンジやクリームも桜を模したピンク色をしており、この時期限定のレア商品である。 「……いいの? これ食べても」 「うん。フェリ君の奢りだから」 「……奢り?」 ミリキアがやってくるまでに、フェリはリルウに頼まれてこのスイーツを買ってきていた。ただ、本当はクーポン券でタダにしてもらったので、奢るという言葉のチョイスには疑問を抱いた。 ミリキアは透明のスプーンでプリンをすくい、大きな口を開けて食べた。身も心もとろけるようなクリームの甘さ、そしてイチゴの少し酸っぱい味覚に触れたミリキアは、たちまちご機嫌になった。 「おいし~!」 「だってよ、フェリ!」 フロウガンが背中を叩くと、みんなが笑い出した。 フェリは恐れていたことが起きなかったことで、胸をなでおろした。そこで、4人の関係がバラバラになってしまうと錯覚していた自分と、今回のターゲットにされたミリキアは、同じなのではないかと考え始めた。 エイプリルフールだ、とフェリは思いながら、みんなとのおしゃべりを楽しんだ。
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