1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
こんな風にキレられるとドッと疲れが出る。朝にも増して鉛のように重い体を引きずり何とか家にたどり着いた。もう途中でご飯を買う気力も残っていなかった。
何でこんなことになってしまったのだろう……。
5年前、私は生きていると抗えないことがあることを知った。
あぁ、今も彼が生きていたらと思う。
自分よりも本当に大切だった。私は生きる意味を失った。
私の人生ついてないな……と思ったところで大切な存在に気づく。
「ごめんね。今はあなたがいる。一番大事」
子宮にいる自分よりも大切な存在を腹の上から撫でる。
生きる意味を失う直前、彼に言われた。「後を追って死なないでよ」と。
彼と約束したから、生きるためにどうしても自分よりも大切な存在が欲しかった。
本当は彼とこの幸せを噛みしめたかったな……。逝ってしまった彼を思うと涙が溢れて止まらなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!