4 友達

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 仁奈は石だらけの地面に寝転び、私を心臓の上に置いた。涙で湿った石の上に降り立ち、深呼吸して空を見上げる。気分は楽にはならない。ただ、覚悟は出来た。全て失わない選択なんて存在しない。どれだけ綺麗で素晴らしい桜も花弁を散らすように終わりだって必ずやってきてしまう。 「ねえ、仁奈ちゃん。まだ一年あるよ」 「一年しかないよ。すぐ終わっちゃうんだよ」 「そうだね。でも、きっと今までで一番長い一年になるよ。何となくだけどそんな気がするの」  桜は必ず春に何処かで咲く。  私も仁奈も既に満開に咲き誇っている。  嫌な事も後悔も糧にして、未だ成長を続ける。  咲く場所は決まらず、更に迷い続ける。  故に、嫋やかで寂しげで美しくなれる。 「お花見しよっか。桜が散っても、一生!」  私達だけが伝わる、友人として紡ぐ魔法の言葉。  未来永劫、あなたの為に咲き誇ろう。  春も巨人も、今だけは影を作らないから。
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