9人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
リアルが充実してるって
彼氏ができたって報告をインスタグラムで眺め見る。投稿していた写真に写る早瀬乃梨子は嬉しそうに目を細めて、見切れている繋がれた手を影で見せつけている。
「はいはい。リア充ごちそうさま」
私は画面上で即座にいいねをつけてため息を吐く。次々と投稿を見ては幸せですよ報告に、私は祝いの感情すらないのに、いいねを押していく。コメントはしない。
＊
乃梨子の投稿全てにいいねをつけ終えたときだった。
ブーブーとライン通話が鳴り響いたのは。
「もしもし？」
『綾世なら見てくれるって思ってた』
そんなの友達だからなんて
見え透いた嘘なんて言えない。
最初のコメントを投稿しよう！