君が好きだった。

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俺と曜と美也子は、三人でショッピングモールに出掛けていた。 その帰り道。交差点で信号待ちをしていた人だかりに、猛スピードで暴走した車が突っ込むという事故が起きた。死亡者は3名。重軽傷者は10名。かなり大きな事故で、連日ニュースになっていた。 死亡者の中に、美也子の名前があった。 俺と曜は、幸いにも怪我一つなく無事だったが、目の前で血を流す美也子を見た俺は、冷静さを失い、半狂乱に近い状態になっていたらしく、そのまま意識を失い病院に運ばれて、今に至る。 美也子が浮気調査をしようとしていたのは現実で、曜が浮気まがいなことをしていたのも現実。 曜を尾行して、カラオケには行っていない。 そして、曜と美也子には、別れの危機はなかった。 「徹くん。もう体は大丈夫?」 「うん。もう元気いっぱいだよ。」 「なら良かった。」 あずさは顔をくしゃっとさせて、徹に笑いかける。 「今日はどこに行こうか?」 「どこがいいかな。」 (今の俺は、あずさちゃんが好きだ。)
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