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プロローグ
「君が作ったおにぎりで…キーボードが汚れてしまったじゃないかっ!どうしてくれるんだよっ」
え。おにぎりで汚れるって…
「そ、それは…食べ方が悪いんじゃなくて?」
つい…思ったことを素直に口にしてしまった。
苛立った表情を隠さない彼が立ち上がったので、一瞬怯んで後ずさった。
「違うよーっばかっ!」
ぱちーんと音がして、次の瞬間自分が吹っ飛んだことがわかった。
い…今何された?
痛む頬を押さえて彼を見上げる。
「おにぎりが悪いんだよーっ」
真っ赤な顔をして、充血した目で私を見下ろす恋人が、その場でバタバタ地団駄を踏んでる。
…なに…?この男…こ、怖い。
駄々をこねるように足をバタつかせ、どんどん踏み鳴らす…。
床から振動が伝わってきて自分が揺れてるのがわかる…。
大の男のそんな姿は、私に予想以上のトラウマを残すことになった…。
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