3人が本棚に入れています
本棚に追加
1、変容
僕はクラスの皆んなから「発達障害」と陰口を叩かれている。
皆んな誤解している。そして妬んでいる。僕の頭が良すぎるからだ。僕は、みんなが欲しいものを生まれた時から持っている。
それ以外の僕は普通の17歳の男子だ。男子と男の境目にいるんだ。
みんなと違うところがあるとしたら、僕が「人間の幸せの限界」を知っていることだ。
頭だけが良くて何になる。いい大学に行って、いい仕事について金持ちになる。それは幸せではない。
本当の幸せは、家族を持って仲良く笑いながらご飯を食べることだ。毎日のその時間。
最も原始的なこの人間の営みこそが最高の幸せだ。それ以上は余分なものだ。余分なものが入ると不幸になる。
今年の春。僕のクラスに一人の女の子が転入してきた。都区内から来た子だ。
少し髪が茶色くて背中までの長い髪をした女の子だ。他の女子と同じように少しメイクをしていた。
すごい美人というわけでもない。でも、魅力的なんだ。
初めて彼女を見た時に僕の心は変容した。
僕は、ずっとずっと会いたかった女性にやっと会えた………そんな気持ちがした。
その瞬間に僕は変わった。大人しい僕は消えた。女という獲物を食らう男という獣に変わった。
他の雄に盗られる前に僕は彼女を喰らわなければならない。
彼女は決して怒らない。それも変容した僕には分かっていた。
そういうのが分かるようになった。一瞬で変わった。怖くはなかった。本来の僕が目を覚ましただけだ。
その女の名は、安達実果。
俺が今日中に喰ってやる!実果だって悦ぶだろうよ。
最初のコメントを投稿しよう!