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「帝人は何色の髪の子が好みなの」
音楽の授業で一緒にセッション組んでいたブロンドの女の子に問われた。なんとなく好意を向けられていたのは気づいていて、でもふとサクラの歯を食いしばるような、表情作りも出来ていない不器用な笑みと、真っ黒な引っ詰め髪を思った。
「黒」
次の日から「ゲイだったんだね」とやたらと聞かれた。
世界の台風の目のように、このニュージーだけがゆるく平和。ようやくニュージーの渡航制限も解除されたのだけれど、マムの日本は未だカスタネットのようにパンデミックが起きていて、まだ来るなと言われていた。
でも日本でマムが二回目となるCOVID-19に感染したと聞いて、ダッドは大騒ぎでエアチケットを手配した。
「わざわざ来なくて良かったのに」
とぼやくマムは軽症で、熱もなく元気そう。ダッドはダメだというのに、マムから離れず、陽性感染者(軽症)となった。
to be continued
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