◇04. 負けるな。光歩

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 こんなにも華奢でか弱いあなたを。傷つけられて苦しむあなたを……。 「放っておけません。  旦那さんの暴力か暴言、ですよね? ……お子さん連れてうちに避難してください」  * * *  というわけで。まさかの。  ご近所に住む永守くんのアパートに避難させて頂くこととなった……。  う。ひとまず、最低限の、二泊三泊出来るくらいの荷物は持ってきたけれども。 「狭いけど、自分のおうちだと思ってくつろいでね」やさしく声をかけてくれる永守くん。めちゃめちゃやさしいひとだ。「あ、うちのアパートの鍵がいるよね? 一矢くんのぶんと、お母さんのぶんだね。……一矢くんは、こっちがいいかな?」  誰もが知る、お耳をかじられた青いロボットのキーチャームがついたキーホルダーを差し出す。  一矢の表情がほころんだ。「うん。ありがとう、お兄ちゃん……」  にこにこする永守くんは、本当に、やさしい顔をしている。「一矢くん、ご飯、まだだよね? 辛い物とか食べれる? きみのお母さんが作ってくれたものがあるんだけど……」  一矢。辛い物は苦手なはず。……なのに。
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