青いともだち

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 ちいさな町にひとつしかない中学にあがっても、クラスメートのメンバーは小学校のときと変わらず、僕は同じようにおざわくんにいじめられた。  でも、ほかの人たちは部活や勉強でいそがしくなって、僕をいじめなくなった。  父親がやくざだというおざわくんとも、みんな距離をおくようになっていた。  中学三年になると、おざわくんは体育館のうらでタバコを吸うようになった。 「おい、缶コーヒー買ってこいよ。おまえの金で」  あいかわらず僕だけは、おざわくんと関わっていた。気に入らないことがあれば、殴られたりタバコの火を押しつけられたりした。 「僕、ずっとおざわくんにいじめられつづけるのかな」  青い自動販売機にそう話すと、自然に涙がでた。  そのとき…… 「ぜったいにひみつだよ」  また、声がした。  ゴトン――  まだサイダーも買ってないのに、取りだし口に落ちてきた。  缶コーヒーだ……  僕はコーヒーが好きじゃないし、今まで自動販売機で買ったこともない。 「もしかして、おざわくんに?」  青い自動販売機は、なにも答えない。  僕は、その缶コーヒーをかばんに入れた。
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