突然目の前に美少女が現れたと思ったら、昔離れ離れになった幼なじみだった件

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 翌朝。  母さんの言う通り、7時30分ちょうどにきぃちゃんが来た。  まるで時報でも聞いていたかのようにぴったりの時間だった。  こういう几帳面なところは昔のままだ。 「おはよう、たくみくん!」 「お、おはよぅ」  うわあああああぁぁぁ。  制服を着たきぃちゃんもまたとんでもなく可愛い。  いや、可愛いのレベルをはるかに超えてるぞ?  なんだこれ。  天使か。 「ど、どう? 似合うかな?」  顔を赤く染めながら初めて着たであろう制服を見せびらかす。  くっふうぅ!  このまま膝から崩れ落ちたい! 「きゃー! 可愛いー!」  その時、きぃちゃんに気付いた母さんが背後からパシャパシャ写メを撮りまくってきた。  人の後頭部ごしに撮るなこら。 「清美ちゃん、すっごく可愛い! 似合ってる!」 「うふふ。ありがと、おばさん」  嬉しそうに笑うきぃちゃんのこれまた眩しいこと。  ああ、尊すぎて死んじゃいそう……。 「じゃあたくみ。気を付けて行ってきなさいよ」 「う、うん。じゃあ行ってきます」 「おばさん、行ってきまーす」 「はーい、気を付けてね」  こうして僕は元気に手を振る彼女と一緒に登校したのだった。
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