四月の恋は痛い

「うっそぴょーん」
　おどけてぴょん、と跳(は)ねてわざとらしくふざけてみせる、とか。

　きっとあいつは「もうちょっと、ましな嘘(うそ)をつけよ」と笑うだろう。

　しょーもな、と軽く言って歩き出すあいつの後ろを、唇(くちびる)をかんでついていく。

　泣くな、あたし。
　ばれたら友達でいられなくなる。

　あたしは確かにあいつと仲がいい。

　ラインのやりとりだってしょっちゅう、ツーショットの写真だってたくさんある。
　でもその内容は、色気も匂わせもゼロの日常会話と、ふざけた顔の写真。

　誰がどう見たって、なかよしこよしのお友達だ。

　いい加減(かげん)、苦しい。