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主人公原口匠の異世界農家を目指す
序章編「初異世界へ続くゲート」
儂の名は原口匠。ご近所の人達から匠爺の愛称で呼ばれていた。前世の匠爺の若い時代は仕事を一生懸命働いて勤めていた仕事を定年を迎え、暫くの間は自宅や近所の人達と共に体を動かし丈夫な体作りに励んでいたが儂が90歳になり天国からの迎えがとうとう来てしまった。一つだけ匠爺の未練を残したまま・・・。
「あぁ、とうとう遂に儂にも迎えが来てしもうた。未だ儂にもやりたい事があったんじゃがな」
と、匠爺が心の中で思った瞬間、匠爺の目の前が真っ暗になってしまったので 、匠爺驚いて、
「何事じゃ!全く辺りが暗くて見えん様になってしまった。はて?何かあんな所に黒電話なんて置いてあったじゃろうか?何だかとっても懐かしいのぉ〜!」
と、匠爺が見つめた先には白い光に照らされた黒電話が机の上にポツンと置かれています。その時、黒電話がけたたましい音で『ジリリリリーン』と鳴り、その音に気が付いた匠爺が鳴っている黒電話の受話器を取ります。
「えー!もしもし?原口匠さんですか?」
「そうですのじゃ」
「私は貴方の質問をする部署で御座います。これから貴方には幾つかの質問をしていきますが宜しいですか?」
「はい。宜しいのですじゃ!」
「分かりました。でわ、質問をスタートしていきますね。先ず最初の質問です。貴方のやりたい事、あるいは貴方が未練を残している物を教えて下さい」
「儂の残している未練は農業をやってみたい事ですのじゃ」
「ふむふむ分かりました。続けて次の質問です。貴方は異世界で野菜作りをやってみたいですか?」
「はい、異世界に行って野菜作りをやってみたいですのじゃ」
「なるほど、じゃ最後の質問です。貴方は何歳ぐらいまで若返りたいですか?」
「そうじゃのぉ〜?19歳ぐらいまで若返ってみたいですのじゃのぉ〜!」
「ふむふむ分かりました。これにて貴方への質問は以上です。お疲れ様でした」
「え?もう儂の質問はもう終わりかの?」
「はい!無事に質問が終わりまして、只今、相談員を決めていますので少々お待ち下さい」
暫くして・・・。
「お待たせ致しました。原口匠様、これから若返り、異世界のゲート(門)を通って貰い異世界ゲートを抜けたら、貴方の師匠・相談員でもある利島源さんにお会いして下さい」
「分かりましたのじゃ」
「じゃ、異世界での生活楽しんで下さいね」
「ツーツーツー」
と、不思議な相手との電話が終了したと同時に足元から光が段々と強まっていき光が匠爺の体を包みます。
「何じゃ?この光は?あれ?言葉や体全体が若返って来たぞ!」
と、若返った匠は異世界の扉の前にいます。
「さて、この前世ともお別れか!色々な事をして来てとても楽しかったな。今までありがとう。じゃ、これから新しい異世界に行ってみよう。今からどんな場所に出るのか楽しみ」
と、異世界のゲートがゆっくりと開き、匠は一呼吸入れると最初の1歩の異世界の中に足を踏み入れます。
さて、異世界とはどんな所なのでしょうか?
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