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「あ……」
俺は、びっくりして黒板消しを持ったまま中途半端に振り向いた状態で固まってしまった。
どうしよう、と、戸惑っているうちに他の生徒たちが教室に向かってくる足音が聞こえてきた。
まずい、まずい。早く消さなければ。俺が書いたことが他のやつにまでバレてしまう。
そう思ったときだ。矢代が「おい誰だよー!!」と大きな声で言った。
その声を聞きつけてみんなが集まってくる。
急に現れた相合傘を見つけて、ちょっとした騒ぎになってしまった。
「誰だー?」と、みんなが口々に言う。この俺もそれにまぎれて「誰だよ、なあ、男同士なのによ」と言ってみた。
俺の言葉にみんな同意してくれたが、自分でその言葉に少し傷ついた。
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