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p.m. 1:25
(結構混んできたなぁ)
土曜日の昼間に考えることは皆同じで、徐々に施設に居る人数が増えてきた。こんなときこそ、私の”隠れ家”の出番だ。
大きめのリクライニングチェアに寝そべって気になる漫画を山ほど積んだ。背もたれの角度は135°。顔に漫画を落とさないように気をつけながらの読書である。
(この漫画、学生のときに集めてたなぁ)
勉強や部活、受験。気がつけば漫画のお兄さんキャラの年齢をとっくに追い越して、私だけが大人になっていた。それなのに、主人公目線で見るお兄さんキャラクターは私なんかよりもずっと思慮深くて、頼れる存在に見えてしまう。
(いつかこのキャラクターすらも、子供を見るような目線になっちゃうのかな)
ふと、考えた悲しい想像。
子供や孫を見るような目で漫画を読む日はまだまだ想像したくない。
苦笑いしてページをめくっていくと、いつの間にかそんなくだらないことを考えていたことすら忘れるほどに熱中していた。
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