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「はあ? 同居っ⁉︎」
家のダイニングテーブルを囲い、母の百合子に再婚を報告されたばかりの雲雀は、つい驚愕の声を上げた。
そんな一人娘を宥めて話を進める百合子は、微笑みながら事情を説明する。
「再婚相手の英介さんが、急遽一年間海外で仕事をすることになってね」
「はあ……それで?」
「英介さんにも一人息子がいるんだけど、四月から高校三年生なのに連れていくのも可哀想でしょ? 残り一年の高校生活だもの」
「はあ……だから?」
「だから、うちに招いて一緒に住むことにした♪」
昔から大雑把で正義感が強い母の性格を知っている雲雀は、あまりに急な話に言葉を失った。
再婚相手の息子を、同居という形でこの春から面倒をみると言い出したから。
父と息子二人で住んでいる家もあるだろうし、一人暮らしができない年齢でもないのだから、わざわざこっちで同居を開始する意味がわからない。
確かに、ここは雲雀のおばあちゃんが生きていた頃から住んでいる持ち家で、二階部屋が余っている。
だけど、六月の誕生日で二十五歳を迎える娘も一緒に住んでいるというのに、事前の相談もなしに勝手に同居を決めるとは。
「いやいや、年頃の息子くんも知らん女の家で同居なんて嫌でしょ」
「あら、もう了承済みだけど。今よりも通学時間が短縮されるって喜んでいたわ」
「う……今の家で一人暮らしはじめた方が絶対気楽――」
「受験生だし、私の息子にもなるわけだから色々サポートできることは今からしてあげたいの」
「そんなの、私が生活しづらくなるじゃん」
「じゃあ雲雀が一人暮らししたら? もう社会人なんだし実家出た方が彼氏できるんじゃない?」
「くっ……!」
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