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クレア
「ふぅん、オレは味方なのかァ」
大幹部のダークネスギルディアは苦笑した。
ずいぶん意味深な言い回しだ。
「今のトコはね。でも私を敵に回すと怖いわよ」
また小悪魔みたいに妖しく瞳を輝かせた。
「フフゥン、なるほど怖いな。できれば敵に回したくない」
「フフッ、だったら私と手を組まない?」
クレアはスッと大幹部の前に手を差し出した。
「……」一瞬、大幹部は握手を躊躇った。
「フフゥン、私と手を組めばダーリンの恋人だった本城ユリアを殺した真犯人を教えてあげるわ」
「ぬうゥ、マジか」
「ええェッ、クレアを信じなさい」
「仕方がないな。毒を喰らわば皿までだ」
大幹部も決断しクレアとしっかり握手を交わした。
「フフゥン、それでこそ。悪の秘密結社の大幹部ねェ」
「さァ手を組んだんだ。教えてくれ。ユリアを殺した真犯人を」
さっそく大幹部はクレアを問い詰めた。
「ああァら、ダーリン、まだ早いわよ。そんなに早撃ちだと女の子に嫌われるわよ」
「なんだとォ」
「フフゥン、残念ね。ピーチ姫が来たようよ」
クレアは個室のドアの辺りを手で示した。
「えッ?」
大幹部が視線を移すとすぐにドアがノックされた。気配で感じたのだろうか。
「フフゥン、お待たせ。ダーリン」
即座にドアが開き売れっ子キャバ嬢ピーチが入ってきた。
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