ピーチ

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ピーチ

「そ、ほらァ私ってジジィ転がし得意じゃん!」  ピーチは楽しげにウインクをして手のひらで転がすジェスチャーをした。 「いやいやァ知らないって。どんな特技だよ。ジジィ転がしって!」 「フフゥン、ジジィに甘えさしたら、右に出るものはいないから」 「な、なんだ。それは?」  決して威張って言うことではない。 「でもね。おじいちゃまの事をただ一人助けてくれる天才外科医がいるんだって」 「ンうゥ、天才外科医……?」 「そッ、なんでも『神の手を持つ天才医師』なんだそうよ。マック何とかって名前らしいわ」 「ああァ、天才外科医のマックロードか」  それなら大幹部も知っていた。 「そうそう、今度、その天才外科医のマクドナルドに頼むんだって」 「マックロードな」 「でも手術代は軽く十億以上かかるらしいわ。ったく、信じられないでしょ」 「ふぅん」  神の手を持つ外科医の事は秘密結社の方でも行方を追っていた。しかしなかなかシッポを掴めない。  しかしおそらく彼は正義の味方ジャスティス・ブラックであろう。  秘密結社『ギルディア』に取っては、もっとも邪魔な存在だ。 「悪いがピーチ姫。今度、そのおじいちゃんに、天才外科医マックロードがどこの病院にいるのか、話しを聴いておいてくれないか」 「え、まさか、ダーリンもどこか悪いの?」 「いや、俺じゃないけど。親がもしもの時、天才外科医と連絡がついた方が安心だろう」 「ふぅん、親かァ、そうね。わかった。今度、聞いておくね。おじいちゃまに会うのも次が最後かもしれないし」 「ン、最後って。そんなに悪いのか」 「だから天才外科医に頼むのよ。だっておじいちゃまには、もう少し生きていて欲しいから」 「もう少し?」 「そうよ。だって、せっかくピーチと養子縁組が成立したんだから。思う存分、孫と遊ばなきゃ3年でも5年でも10年でもね」  ピーチも哀しそうな笑い顔をした。センチメンタルな気分なのだろう。
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