ジャスティス・ピンク

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ジャスティス・ピンク

 だがすっかり治っているようだ。アザなどまったく見えない。それでも大幹部は心配だ。 「まさか。アザって、元彼氏(もとカレ)にDVを受けてるんじゃないだろうな?」  キレイな太ももを撫でて勘ぐった。 「フフゥン、DVじゃないわ。もっとヒドいヤツなの」 「なにィ。もっとヒドい。ピーチ姫に手を出すようなヤツは、このオレがリベンジしてやろう。どこのどいつだ?」  大幹部が凄むと、普通の一般人なら震え上がるだろう。だがピーチは笑顔を絶やさない。 「え、だってェ。秘密なんだもん」 「秘密ゥ。なんだ。半グレかなにかなのか。報復を(おそ)れてるなら安心しろ。オレが秘密裏に上手いこと始末してやろう」  サラッと恐ろしいことをいった。しかし悪の秘密結社の大幹部ならやりかねない。 「ううゥン、安心して、アイツは始末しちゃったわ」  だがピーチはあっけなく応えた。 「えェ、アイツは始末したって、どういうことだ?」 「だからそのケガさせたのは悪の秘密結社の怪人だったのよ」 「えェッ、怪人。まさか?」 「ううん、まさかじゃないわよ。相手は、タコの怪人なの。八本の触手で敵の腕や足に巻きつくの。おかげで身体じゅうに巻きついてアザだらけになっちゃったわ。マジ、やんなっちゃう」 「ううゥッそのタコの怪人って。まさかオクトパス・ギルディアじゃないのか?」  大幹部もよく知っている怪人だ。 「そうそう、その怪人ヘクトパスカルよ」 「いやァオクトパスだけど。どうしてピーチ姫が?」 「だって、ピーチは正義の味方ジャスティス・ピンクなの!」 「えェーーーーッ?」  さすがに大幹部も驚愕して目を丸くした。
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