8人が本棚に入れています
本棚に追加
ジャスティス・ピンク
だがすっかり治っているようだ。アザなどまったく見えない。それでも大幹部は心配だ。
「まさか。アザって、元彼氏にDVを受けてるんじゃないだろうな?」
キレイな太ももを撫でて勘ぐった。
「フフゥン、DVじゃないわ。もっとヒドいヤツなの」
「なにィ。もっとヒドい。ピーチ姫に手を出すようなヤツは、このオレがリベンジしてやろう。どこのどいつだ?」
大幹部が凄むと、普通の一般人なら震え上がるだろう。だがピーチは笑顔を絶やさない。
「え、だってェ。秘密なんだもん」
「秘密ゥ。なんだ。半グレかなにかなのか。報復を怖れてるなら安心しろ。オレが秘密裏に上手いこと始末してやろう」
サラッと恐ろしいことをいった。しかし悪の秘密結社の大幹部ならやりかねない。
「ううゥン、安心して、アイツは始末しちゃったわ」
だがピーチはあっけなく応えた。
「えェ、アイツは始末したって、どういうことだ?」
「だからそのケガさせたのは悪の秘密結社の怪人だったのよ」
「えェッ、怪人。まさか?」
「ううん、まさかじゃないわよ。相手は、タコの怪人なの。八本の触手で敵の腕や足に巻きつくの。おかげで身体じゅうに巻きついてアザだらけになっちゃったわ。マジ、やんなっちゃう」
「ううゥッそのタコの怪人って。まさかオクトパス・ギルディアじゃないのか?」
大幹部もよく知っている怪人だ。
「そうそう、その怪人ヘクトパスカルよ」
「いやァオクトパスだけど。どうしてピーチ姫が?」
「だって、ピーチは正義の味方ジャスティス・ピンクなの!」
「えェーーーーッ?」
さすがに大幹部も驚愕して目を丸くした。
最初のコメントを投稿しよう!