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ジャスティス・ピンク
「えェーーーーッ?」
さすがに大幹部も驚愕して目を丸くした。
「シーッ、声が大きいわ。だから秘密だって言ったじゃん」
ピーチは内緒にするよう唇に人差し指を当ててアピールした。
「いやいやァ、だって姫は?」
どこからどう見ても売れっ子キャバ嬢だ。とてもではないが、正義の味方には見えない。だいたいキャバ嬢をやっている正義の味方など聞いたことがない。
「フフゥン、ほらァ、高校の時、暇つぶしに正義の味方を始めたのよ」
「いやいやァ、何その。バイト感覚は?」
大幹部もあきれたみたいだ。正義の味方は暇つぶしにやるものではない。
「ううゥン、バイトじゃないの。正義の味方って、ほらァブラック職業だから!」
ピーチは何度も首を横に振って苦笑した。
「えッ、ブラック職業?」
「そうよ。だって、基本、慈善事業活動だから時給が貰えないのよ」
「えェッ、お金が。じゃァ無報酬なのか?」
「そう、ピーチもほらァ、キャバ嬢として働いて、その貯金を切り崩して正義の味方の活動資金に回してるの」
「な、なにィッ、マジか?」
「そう、怖ァいでしょ。怪人と闘って死ぬかもしれないのに労災も降りないのよ。ヒドいでしょ」
まるで文句のオンパレードだ。
「うゥッ、じゃァケガをしても」
「そうなの。救急車で搬送されて病院へ行って治療しても自腹を切るのよ。いっくら人気キャバ嬢で稼いでも正義の味方をしてると赤字続きなのよ」
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