事故物件

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 その後の記憶はあまりありません。  部屋に関する諸々の手続きは両親がやってくれていたようで、私が正気に戻っていた頃には既に全てが終わっていました。私は結局、実家に戻り、大学へなんとか通えるまで回復するのにひと月程かかってしまいました。  あの部屋はなんだったのでしょうか。  数年後、大学を卒業した私は徹さんと結婚したのですが、たまたまあの部屋の近くを通ることがありました。  そこは更地になっており、駐車場へと様変わりしていました。  たまに夫とその時のことが会話に上りますが、全ては謎に包まれたままです。 完
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