殿姫さま!

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―――その赤ん坊は 体の未熟さから、 男の子の特徴に 誰一人気づかれなかった。 ゆえに、 その赤ん坊は 『姫』として育てられることになる――― …………… 私が初めて喋った言葉は、 「おうまさん」だったそうだ。 2番目に喋った言葉は 「お馬さん、パッカパッカ」 3番目に喋った言葉は 「お馬さんって、…なんだかセクシィ…」 だったそうだ。 マジかよ。 まぁ、そんなわけで 私は小さい頃から お馬さんに乗りたかったのだ。 でかい馬にひらりと飛び乗って、 草原を走り回りたい。 そんなことを母上に言ったら、 「まぁ、危ないじゃない! 転げ落ちて、 女の子が顔に傷でもついたら いったいどうするの!? お上品に 貝合わせでもなさりなさい!」 試しに一回 『貝合わせ』なるものをやってみたが、 全然つまらなかった。 もともと私は 頭脳派ではないのだ。 「お馬さん! お馬さんに乗る~のぉ!! パッパカパッパカしたいの!! うわ~ん!!!!」 私は声がでかいので、 城中に響き渡った。 根負けした母上は、 「そ――んなに言うなら やってごらんなさい。 途中で『怖いからおろして』と言ったって、 聞きませんよ!」 と、呆れ果てて許してくれた。 この藩の姫さまである私が 落馬で死んだりしたら大変だから、 馬使いも必死だ。 「姫さま、まずは あぶみに足をかけて、 ゆ~~っくりお乗りください。 私めが、お体を鞍の上にお乗せしますから。」 「うわぁ~~!」 馬に乗って見た景色は、 実に爽快だった。 お城の女の召し使いたちは 「女の子は小さい方が可愛らしいのですよ」と言うが、 私は将来身長180センチになるという 野望がある。 5歳で叶った。わーい。 馬使いが、 「姫さま、決して 馬の腹を蹴ってはいけませんぞ。」と 「押すなよ、押すなよ、」みたいなことを言うから、 さっそく蹴った。 馬が走り出した。 風が気持ちいい! 手綱をしっかりと握れば スピードが出ても 全然怖くなかった。 ……どうすれば止まるんだ?コレ。 「ちょ、ちょ、待つアル。 止まるアルよ!!」 混乱して 日本語がおかしくなった私を 気遣って、 馬はスーッと止まってくれた。 なんだ。 乗馬って、簡単じゃないか。 後ろから、 「姫さま~ どうかご勘弁を~ 私の命がいくらあっても 足りませんゆえ~…」と 馬使いが真っ青になって 追いついてきた。 いやぁごめんごめん。 「馬で走るのは楽しいな! 次は流鏑馬をしてみたい!」 その日の夜、 事が母上の耳に入り 物凄く怒られた。 そんな感じで 基本的に母上の言うことをきかない私は 貝合わせもお手玉もせずに ひたすら馬を駆って遊んでばかりいて 気がついたら10歳になっていた。 その頃 なんでか城にわざわざ はなれを作ったというので 興味本位で遊びに行った。 そこで私は、運命の女性と出会う。 空を見ていた。 雨の日なのに。 十二単を着て 遠くの空を眺めていた。 一幅の風景画のように、 極めて美しかった。 私はその風景を しばらくぼぉっと見ていたのだが、 とんでもないことに気付いた。 今ここで声をかけなければ、 この美しい女の子と私の接点は 一生無い!! 「サーセンどうしたんスか!??」 でかい声でナンパした。 女の子は見られていたことに気付くと、 サッと扇で顔を隠した。 そのしぐさも艶めかしい。 私は逃げられないうちに ダッシュでその女の子のところへ 走っていった。 乗馬で足腰を鍛えていてよかった。 「大丈夫スか?美しいお方。 逃げないで!怪しい者じゃないです! この城の姫でございます!!」 あんたみたいな変な奴が? っていう目で見られた。 「本当っス!!」 十二単の君は、 ちょっと警戒しながら、 私と目を合わせた。 「いったいどうして…泣いていらっしゃったのですか?」 「思った通りの生き方が、出来ないからです。」 「どう生きていきたいのですか?」 「私は本当は、 ぶ……ぶっ…ぶぶ…ぶ…」 「豚?」 「武士!!武士になりたいのです! は、あ、言ってしまった。」 一息吐くと、 十二単様はカミングアウトした。 「私は都のやんごとなき姫なのですが、 色々あってこの城に来て、 武士になってしまいたいと思う今日この頃なのです。 袴を着て、馬で草原を駆け回りたいくらい。」 「ならば、武士になればよかろう。」 やんごとない姫は、キョトンとした。 「さっき言った通り私はこの藩の姫なのだが、 小さい時から袴をはいて、馬に乗っておる。 やりたいことをやらずして、何が人生ぞ。 次回はなれに来た時に、 袴ととびきり良い馬を用意するゆえ、 そなたは馬に乗れるように 筋トレをしておくのだぞ。」 すると、 やんごとない姫様は、ツボに入ってしまったらしい。 「ぎゃ―――――っはっはっは!! ぐぐ、ぷっ、ひっひっひ、 あははは!!くっくっくっく…… ふ、ふ、ふ、 いいえ、おほほほほほほほほほ! う、ふふ、ほほほほほほ……」 この姫様、一見シリアスキャラだけど、 ギャグキャラとして伸びしろがありそうだ。 腕が鳴るぜ! 「私の名前は『ひなた』という。 やんごとなきそなたは?」 「『梅』。」 梅は相当笑ったせいで 目じりと頬が紅くなってしまっていた。 そそるぜ。 「では梅。次回はともに 馬に乗って遊ぼうぞ。」 「約束ですわよ?ひなた。」 「ゆびきりだ。」 いいもん見たなぁと浮かれながら 城に戻って、 ハッとした。 告白し忘れた……! という話を母上に 世間話で話したら、 パニックを起こされた。 何だというのだ?いったい。 「なんて不道徳なことを言い出すの、あんたは!! よりにもよって、 女の子が女の子を好きになるなんて!!」 「何が問題なのだ!!」 「全てです!! 周りを見てごらんなさい! みんな女性は男性と、 男性は女性と夫婦になっているでしょう! あんたはおかしい!」 「私はおかしくない! 私以外の全員が間違っているのだ!」 「いけしゃあしゃあと! 男女で愛し合わなければ、 子どもを授かれないのですよ!?」 「そこなのだ!母上。 家臣から漏れ聞いたが、 最近わが藩の人口は増えすぎて、 米どころか粟や稗も 食べられない者が 出てきているらしいではないか! それはひとえに 男と女が愛し合って、 子どもが増えすぎたからだ。 せっかく生まれてきたのに餓死するなど、 可哀想の極であろう。 では、どうやって人口を減らす? 戦国の世に戻して、殺し合いか? いや、男と男、女と女が 所帯を持つようになれば、 自然と人口は減るであろう。 殺し合って人口が減るより、 愛し合って人口が減る方が、 遥かに皆幸せであろうが!!」 「屁理屈を言うんじゃありません!!」 「屁の理屈など言っていない! 愛と人口に関する提言をしておるのだ!」 はぁ……、と 母上は深いため息をつくと、言った。 「母は、もうあなたを愛せないかもしれません。 普通に考えて、気持ち悪い。 今日はもう寝ます。」 なんで分かってくれないのだ…? その夜、私は『春』に 文を送った。 『女の子を好きだと母上に言ったら、 「気持ち悪い」と言われ、 「あんたをもう愛せないかもしれない」とまで 言われた。 なんで母上は分かってくれないのだ?』 『春』とは、私の幼馴染で 5歳の頃 「私は女ではなく人間です。 将来、男に『女を見る目』で見られ、 同じ人間として扱われないのが嫌なので、 仏門に入って尼になります。」 と宣言して実行した、しっかり者である。 とびきり賢いので、 私はよく文を書き、 相談に乗ってもらっているのだ。 次の日、 母上は姿を見せなかった。 翌日も。 3日目になって 『ガチで嫌われたじゃん。 山に捨てられたりしたら、どうしよ。』と 思っていた私の部屋に、 母上が入ってきた。 「な、…何事、ですか母上。 あ、いいや、お久しゅうございます。 お会いしたかったです。」 母上の顔からは、 何も読み取れなかった。 「あんたに、」 「はい。」 「『いいなずけ』を連れてきました。」 「…?ア~ハン?」 「そなた好みの都びとで、 背は小さく、 女の子のような美しい顔をした 白い肌、筋肉のついていない 線の細い美男子です。 この男の子と結婚なさい!」 「ちょま、え??」 「お入りなさい。」 ふすまがスーッと開くと、 まあ綺麗な男の子が入ってきた。 「『柏木』と申します。 姫さま、どうぞよろしゅうお願いいたします。」 声も高い! いやしかし、 全然好みではないぞ!! いくら女顔といっても男だしな! それ抜きにしても、 確かに可愛いけど 梅には程遠いわ! 「いらん!帰れ!!」 すると柏木は、 泣きそうな瞳で訴えかけてきた。 「僕は、幼い頃 色々あって都にいられなくなり、 食べる物もあるかないかの 貧しい暮らしをしながら 諸国を転々としておりました。 姫さまのお母上に 今回の件で拾っていただけなかったら、 餓死していたかもわかりません。 どうか、人助けと思って 僕を婿にしてくださいませ。」 む…? それは確かに可哀想。 「どうです?ここまで聞いて 柏木を追い出しますか??」 母上が追い打ちをかける。 「……しょうがないなぁ。 いいなずけとかは後々考えるとして、 しばらくこの城で暮らすが良い。 武士の情けじゃ。」 すると、柏木は 光り輝くようなほほえみで 「ありがとうございます!姫さま!」 と言った。 さて、 それから2週間くらい 柏木という男を観察していたのだが、 こやつまるで魔法使いぞ。 最初の一日で この城の女の召し使いの 名前を全部憶え、 あたりかまわず熱視線を送っていた。 しかも、 ちょっと太めの召し使いに 「モチモチとして白いお肌が 食べたくなるほど魅力的ですね。」だの ちょっとゴツめの召し使いに 「小麦色に焼けた肌が 健康的でお美しいですね。」だの 口説きまくっていた。 そうそう、それで『魔法使い』と言ったのは、 柏木は明らかなお世辞を言っているのに 召し使いたちがどんどん 幸せな気持ちになっていくのだ。 『お世辞』と分かっているのに! 口がうますぎて魔法っぽい! それを正面から柏木に言ったところ、 「少しは姫さまにも ヤキモチを焼いていただけたと思って よろしいのですね。 脈は無いわけではない、と。」 私の頬に右手を添えながら そんなことを言う。 人当たりのいい紳士だと 思ったか? 残念 柏木は男の召し使いに対しては 非常に冷たい! 男から何を言われても 基本「ア、ソウ、フーン。」としか返さない。 喋ったとしても カタカナで喋るのだ。 絵に描いたような 男嫌いの女好き!! なぜだかこいつは好きになれん! しょっぱい! そんな折、 待ちに待った春からの返事の文が届いた! 『ひなた、お久しぶり。 女の子のこと、好きになっちゃったんだ? う~ん、そのことについて ひなたのお母さんは、分かってくれないと思うよ。 なぜなら、 ひなたが生まれてきたということは、 ひなたのご両親は異性愛の人でしょ。 異性を愛する人に 同性を愛する人の気持ちは 分からないよ。 だってそんな気持ちになったことが無いんだから。 それとねぇ、 私はひなたのこと、 特別気持ち悪いとは思わないよ。 だって 寝所でのイチャイチャなんて、 男同士でも、 女同士でも、 男女でも、 はたから見たら超キモいと思うもの。 ひなたは悪い意味での『特別』なんかじゃないよ。』 なるほど! スッキリした。喉のつかえがとれたようだ。 やっぱり春は賢いなぁ。 元気が出たところで、 梅に会いに行こう。 約束の袴と馬をつれて。 はなれに行こうとしていると、 柏木に 「どちらへ行かれるのですか?姫さま。 淋しゅうございます。」と 袖を目にあてて 分かりやすくウソ泣き。 ウザい。 「好きな女に会いに行くのだ。 はなれに住んでおる絶世の美女だ。 おぬしが口説き落とさぬよう、 連れて行かぬ。 今後も、おぬしは 絶対にはなれに行くなよ!!」 くぎを刺しておいた。 さて、はなれに着くと、 梅に袴の着方を教え、 馬に乗せてみた。 なんせ都のやんごとない姫だ。 ビクビクしながら乗るだろうと思ったら、 トン、ひらりと 軽業師のように鞍にまたがり 馬の腹を蹴った。 中庭を3周くらい馬で駆けると、 手綱を引いて綺麗に止まった。 天性の乗馬の才…! うそぉ、私そうなるまで 1ヶ月くらいかかったよ!! 「うん、乗馬は思っていた通り楽しいな!」 「イヤイヤイヤ梅、 あんた運動神経良すぎるよ!!??」 「お前が悪いんじゃね?」 梅の言葉遣いがちょっと男の子っぽくなった。 馬に乗ったからだろうか? 可愛いから、許す。 「そうだ、梅。 前回言い忘れたのだが、 私はそなたに惚れておる。 付き合っておくれ。」 ……… 「うぇぇっ!気持ち悪っ!!」 ウジ虫を見るような目で見られた。 「…気持ち良い。もっかい、言って。」 「うわぁ気持ち悪い!!」 「もっかい。」 「気…気持ち悪い…!」 「もう一声!」 すると梅は腹を抱えて笑い出した。 「お前面白いな! よくそんなバカみたいな 告白の仕方…くっくっく…」 「馬の上で笑うと、危ないぞ、梅。」 「お前のせいだよ。 告白には応じないが、 お前と一緒にいると、いつも笑って楽しい。 そばにいてくれ。友として。」 やんわりフラれたが、 そばにいることは許された。 そのうちいい感じになるかもしれんではないか!! 諦めんぞ!! ひとしきり乗馬を楽しんだところで、 中庭で抹茶とお菓子を食べた。 「そういえば、梅はどうして 武士になりたいのだ?」 「…私には、都にいる時 将来を誓い合った想い人がいるのです。 『瀧澤 朧』という名のお方。 ところが私が5歳の時、 彼の屋敷が火付けに遭い、 亡骸は、見つかりませんでした。 きっと生きている。 だから、私は自分の中の『女性』を 次に朧様に会う時まで 心のうちに隠しておきたいのです。 他の人の前では、女でいたくない。」 「だから、武士に?」 「はい。」 梅には想い人がいた。ちぇっ。 「とても素敵な殿方でした。 高貴な都びとで、 女の子のような端正な顔をした 白い肌、筋肉のついていない 線の細い美男子。」 ん…? どっかで聞いたような形容詞が。 なんだっけ? 「なるほどな。 梅にそこまで思われて、 朧という男はさぞかし嬉しかろう。 だが私はあきらめない。」 「あきらめろよ。」 私はく―――っと お茶を飲み干すと、 梅に向き合って、宣言した。 「私はその朧という男よりも もっと梅を幸せにしてみせる! 今に見ておれ覚悟せいや!」 梅はまた大笑いした。 「はいはい。頑張れよ。」 とりあえず、嫌われなくてよかったな。 それからわずか3日後、 はなれに行ったら 梅と柏木がキスをしていた。 ショックで下血した。 「まぁまぁまぁ!!おめでとうございます!」 股間がじんわり赤く染まった着物を見て、 わらわらと女の召し使いが集まってきた。 母上も部屋に来た。 「よくやりました。今夜は赤飯。 胸もほんのり膨らんできたので そろそろかなぁと私は思っていました。」 「何が『そろそろ』なんだ??」 「しっかりとお聞きなさい。 大人の女性は、 毎月股間から血が出るのです。 子どもが産める体になった証です。」 「…嘘だ。慰めないでおくれ、母上。」 「本当ですよ。」 「いいや私は股間の病気なのだ! だって、だって、 最近股間に大きな腫れ物ができて、 そのせいで ✕✕が✕✕✕のとき ✕✕✕したり、 どうしようもないのに ✕✕✕✕✕だったりするのだ! とどめに今回の下血!! 私は訳の分からない股間の病気で 死ぬのだ――!!」 召し使いたちキョトン。 母上いぶかしげ。 私は急遽、 お抱えの医者に診てもらう運びとなった。 診断結果。 「姫さま。 落ち着いてお聞きくださいませ。 ……姫さまは、男性で、女性なのです。」 「?」 「男性としても生きていき、 女性としても生きていく 非常に珍しい体です。」 「では、私は半分 男でもあったのか?」 「はい。」 今までの人生を振り返って、 ストンと腑に落ちた。 なぁるほどねぇ!! 「診察結果を、誰かに話したか?」 「いいえ、まだ誰にも。 これからお母上に説明しようと…」 「よい。下がれ。 今からこの城の全ての者を集めよ。」 大広間に、なんだなんだと 家臣、召し使い全員がぎゅうぎゅう詰めで入った。 私が現れると、 全員膝をついてかしこまった。 「よいか皆のもの。 医者が言っていたのだから間違いない。 私は男でもあり、また女でもある特別な体なのだ。 よって、これからは私のことを 『姫さま』ではなく 『殿姫さま』と呼ぶように!!」 母上と柏木が、 同時にひっくり返った。 「―――母上?母上?」 皆が去っていった広間で 声をかけていたら、 気づいた母上が私を見た。 目が合った瞬間、 母上の目から涙がこぼれた。 なぜだ。 「ごめんなさい。ごめんなさいね。 私はあなたをちゃんとした体に 産んであげられなかった。 ショックだったでしょう。 本当にごめんなさい。」 「何を言いだすのだ母上。 私はちゃんとした体だ! むしろ 男とも子をつくれるし 女とも子をつくれるのだから 一粒で二度おいしいではないか!」 「こんな 『帯に短したすきに長し』みたいな 半端な体で…」 「母上、前から思っていたのだが それ、チョン切って たすきにすればよいのでは?」 「チョン切りますか?」 「ぅ嫌だぁあ!!」 「あぁ…城中に知られてしまった… もうすぐ藩中に噂が回るでしょう。 恥ずかしい…」 「そうなるようにわざと皆を集めたのだ。 皆に知っていてほしかった。 私は、 この体で堂々と生きていく。 私の心も、体も 日陰者なんかにするものか! 嗤いたい奴には嗤わせてやれ。 私は私の味方だ!」 すると、母上は 私をちょっと見直したような、 それともいつも通り諦めたような 読めない表情をして、 「……本当に……」と言うと、 嫌―な空気のまま 広間を出て行った。 鬱にならないといいけど。 まぁでも、 この体のせいで 柏木の魔法にかからずに済んだ… そうだ!! 柏木あの野郎!! 梅とチューするとは何事か!! 私は柏木の部屋のふすまを バチーン!と思いっきり開けた。
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