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ごめんね、愛する人よ
血飛沫があたりに飛び散る。
壊れていたのは、世界なんかじゃない。
間違っているものなんて、どこにもない。
それぞれが、それぞれの正義を貫いた結果なんだ。
虚偽、嘘、偽り、裏切り。
そんなもので固められた世界でも、キミには生きてて欲しい。
僕の、最期の我儘だ。
僕はキミを突き飛ばす。
時が戻れば。あの頃こうしておけば。
そう思うことだってあったよ。
みんなでくだらないことを、もっと言い合いたかった。
でもね、そんな事を考えたってもう遅い。そう僕は感じてる。
「やァァァァッ!」
声が枯れていても叫び、剣を振るうのは、キミのためだけじゃない。
僕が後悔したくないから。
また、キミとあの桜を見たかった
あの嘘も偽ることも知らない瞳で。
僕がキミを守るから。
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