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とキッパリと言われてしまえばそれ以上訊くことはできなかった。神田さんの話を聞いている時からキーボードを打ち込んでいると思っていたけど、田村さんはどんなシナリオを作っているのだろう。
そもそもいいリアクションってなに? 考えてもわからないことだらけで、初本番を迎える今日は一睡もできなかった。
「ふわ……ぁ……。田村さんどこにいるかな」
欠伸をかみ殺しながらバス停を降りると、容赦ない日差しに眩暈がしそうだ。日傘を持ってくればよかったと考えていると、斎場の駐車場から田村さんが歩いてくるのが見えた。
車持ちはいいよなぁ。わざわざバスの時間とか調べたりしなくていいし。この仕事を続けるなら自家用車があった方がいいかもしれない。ペーパードライバーを卒業する時がきたかも。
などとぼんやりしていると、田村さんはすぐそこにいる。私は笑顔を作り田村さんに挨拶をした。
「田村さん、おはようございます」
私が声を掛けると、田村さんは微笑むことなく会釈した。やっぱり汗ひとつかいていない。30度も近い気温なのによく喪服で汗をかかないなと感心してしまう。
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