5.家族

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「後悔はしています。でも、なんていうか、すっきりできました。私と母は家族だったんだって。ううん、父と母と私。全員血が繋がっていなくても、愛されていたし、家族だった。そのことに気が付けて、私、すごく幸せなんです。だから『泣き屋』のあなた達に出会えてよかったです。それじゃあ、バスがもう出てしまうので私はここで」 「ご利用ありがとうございました」 「あの、千代さん、頑張ってください!」  田村さんに倣って私も頭を下げたあと、思わずそう口に出していた。千代さんは一瞬ぽかんとしたあとに、すぐに笑顔で頷いてくれた。  バスが斎場を出て行き、私と田村さんだけになった。 「柴田さん――」 「田村さんごめんなさい!」 「……なにを誤っているんですか」  田村さんが言うより早く、私は頭を下げた。頭上からは田村さんの戸惑った声。  だけど、私はこれだけは言っておかないとと思う。
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