5.家族

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「なにって……田村さんの、その、シナリオ? に割って入って、好き勝手言いました。鈴本さんの時も、私が言いたいこと言ったから余計に悪化したのに、なにも反省できてないなと思いまして……」 「ああ……なんだそんなことですか」  怒られると思っていたのに、返ってきたのは普段通りの平坦な声だった。あれ、呆れないの? 「だって、本当のことじゃないですか。お話遮っちゃいましたし」 「いいんですよ。むしろ柴田さんは僕の想像以上の働きでした。やはりあなたはこの仕事に向いています」 「へ……?」 「シナリオを知らなかったのに、神田さんとブログを読んだだけで、僕の理想の動きをしてくれた。あなたが本心から思っての言葉だからこそ、神田さんや早苗さんの心を動かすことができたんですよ」  顔を上げると、田村さんは淡々と、だけど、どこか嬉しそうに私を褒めてくれた。  あれ、ほ、褒められてる?
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