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「なにって……田村さんの、その、シナリオ? に割って入って、好き勝手言いました。鈴本さんの時も、私が言いたいこと言ったから余計に悪化したのに、なにも反省できてないなと思いまして……」
「ああ……なんだそんなことですか」
怒られると思っていたのに、返ってきたのは普段通りの平坦な声だった。あれ、呆れないの?
「だって、本当のことじゃないですか。お話遮っちゃいましたし」
「いいんですよ。むしろ柴田さんは僕の想像以上の働きでした。やはりあなたはこの仕事に向いています」
「へ……?」
「シナリオを知らなかったのに、神田さんとブログを読んだだけで、僕の理想の動きをしてくれた。あなたが本心から思っての言葉だからこそ、神田さんや早苗さんの心を動かすことができたんですよ」
顔を上げると、田村さんは淡々と、だけど、どこか嬉しそうに私を褒めてくれた。
あれ、ほ、褒められてる?
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