乾杯

1/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「今年もこの季節が来たか」 「毎年のことだけど見事に咲いてるなあ」 「いやあ、やっぱり綺麗だ」 「それにしても、ここに皆で集まると昔を思い出すよなー」 「ああ。ガキの頃はこの辺でよく遊んでたよな」 「そうそう。ここの桜の木に登って大人に怒られたりしたこともあった」 「そうだそうだ。懐かしいな」 「おーい、昔話はそこそこにして、さっさと食おうぜ」 「なんだよー。久しぶりに会えたんだから、お互いに積もる話もあるだろ」 「それは分かるけどさ、まずはメシ食おうぜ、メシ!  俺、さっきから腹の虫が鳴り続けてんのよ」 「ははは。お前、昔っから変わってないな。花よりご飯ってか」 「当たり前だろ。この日の為に、たんまりご馳走を用意したんだからな」 「おお、美味そう。さすが町一番の定食屋の息子!」 「へへ、まあな」 「じゃあ、とりあえず乾杯の音頭と行きますか」 「よーし、全員ビールは持ったな? それじゃあ……」 『かんぱーい!』
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!