異種接近遭遇 Part.2『疑問』

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「カレー、食べマスか?」 「食べます! ありがとう!」 時折ただよってきていた匂いと、規則正しい包丁の音の正体は、香辛料たっぷりのカレーだったりスープだったりしたようだ。 正直、何度か、 「くっさ。(にお)いテロじゃん! こんなの!」 と、ライとの交流がない時は恨み節を自室でぼやいてたこともあった。 と、同時に、その香りに食欲をそそられる自分に、罪悪感のようなものがあったのも事実───なんだけど。 「んーっ。やっぱり、食べ物に罪はない!」 「罪、デスか?」 「美味しいってことです」 「おいシイ、良カッタ。秋良サン、食べるのカワイイ。萌ぇマース! イェーイ!」 片手にスプーンで、意味なくハイタッチ。たまにライがする、よく解らんノリ。 たぶん、覚えたての日本語を使ってみたいヤツだろうと思い、私も適当に合わせている。 「あれ……スマホ鳴ってるよ」 「ああ、ハイ」 さっきまでの明るい顔から一転して、ライの表情がスマホ画面を見たとたん、くもる。 「気にしないで、出なよ」 「ハイ……ごめんナサイ」 ペコリ、頭を下げてからスマホをタップしつつ立ち上がる。
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