異種接近遭遇 Part.3『恋人』

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「撤回はお勧めしませんよ? 殺処分になりますし」 いや、笑顔で言うことじゃないし。 「恋人って、故郷の星とかに居ないの?」 「まぁ、飽きてた所に地球への赴任話があったので」 ……昭和の大人気歌謡曲(デュエット)かよ。 じゃあ私にもすぐ飽きるんじゃない? と、問う前に否定をされた。 「あ、でも秋良さんとは趣味が合うし。結構長く続くと思います」 何を根拠にそんな、と内心あきれていると、急に真剣な眼差しでライが言った。 「僕はこの約一ヶ月の間、楽しかったけど。秋良さんは、違いました?」 「違……わないけど」 「良かった! じゃ、これからは遠慮なく仲良くできますね。あ、片言で話す僕のほうが好きですか?」 「え? 中身一緒なら別にどっちでも……」 「実はアレ、相手の油断誘うにはいいけど、僕個人としてはまどろっこしいと思ってたので」 まさかのあざと理由……。 あれ? ちょっと待って。 「遠慮って……遠慮してたの?」 「はい。対象者に同意もらえないと、禁止事項に抵触して、良くて強制送還、悪くて殺処分なので」 あっさりと言いきったライが、私の指先にくちづけて、艶っぽく笑う。 「さてと、秋良さん。このままの僕と楽しみます? それとも先に、ファスナー下ろします?」 ──欲望か、好奇心か。異国人か、宇宙人か。 どちらせよ、私に断る選択肢はなかった。        ──END── ※次ページ、『グレイな恋人』に続きます。
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