異種接近交遊 Part.1『声音』

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異種接近交遊 Part.1『声音』

うん。 確かに、言った。言ったよ? 異国人だろうが宇宙人だろうが、関係ないって。 でもさ。 「……は……っ、秋良(あきら)、さん……」 その、声で。その息遣いで。 私の上で、あえがないでよ、イヤまじで。 「それ、いつまで続けるの?」 「えっ。それって……どれですか?」 なんか、フツーに終わったけど。 十数年ぶりにも関わらず、記憶にある過去のそれらよりも、ずっとずっと良かったけど。 ……いや、なんで普通? なんだか釈然としない気持ちになりながらも、けだるい身体に残る余韻のままトレーナーを着る私と。 きょとん顔でニットにそでを通す、ライ。 私の指した『ソレ』という言葉に反応してか、自分の身体を見回した。 節くれが目立つ少しごつい手指と、軽くまくられた腕についた厭味(いやみ)のない筋肉。 もしかして、また見せたいのかと疑いたくなるタイミングで持ち上げられたニットのすそからは、割れた腹筋がのぞく───アスリートか、お前は。 「そ・れ!」 私がライの喉もとを指し示すと、ああ、とライは自分の喉仏に触れた。 「だって、秋良さん、好きでしょう? この声」 「……いや、好きだけど」 背徳感がすごいというか。 なんか、緒方さんを(けが)してしまっているような心地になるというか。
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