異種接近交遊 Part.1『声音』

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「前の……あのたどたどしい(しゃべ)りの時の声は?」 「んー……アレ、『仕事用』だからなぁ。僕の母星語とこの国の言語の親和性と解析レベル、あえて落としてるし。 第一、秋良さん、中身が一緒ならどっちでも構わないって、言ってくれたじゃないですか」 後ろから私をのぞきこむライの顔が、ふてくされ感全開で……ムダに可愛い。 ひょっとして、これも計算? 実はライって、小悪魔系? 「……分かったわよ。そのまま……緒方さんの声でいい。許す」 うん、私も自分を(ゆる)そう。この役得感満載な『恋人が緒方ヴォイス』なのを。 「やった! じゃ、解決ってことで。……もう一回いいですか?」 「あのさ、ソレなんだけど……」 ライの唇と指先の行方に、申し訳ないけどストップをかける。 さっきは欲望に流されたし、久しぶりに堪能させてもらったけどね。 やっぱり、ここはハッキリさせておきたいというか、なんというか。
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