異種接近交遊 Part.1『声音』

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「……またカタコトに戻ってるし」 「秋良さんの、せい、デスよ?」 くすっと笑いをこぼした唇が、頬に触れて。 情欲をあおる指先が、私の身体に卑猥(ひわい)な軌跡を描く。 必然的にあがる私の息遣いに、ライの「可愛い」とささやく声音が重なって、身体の奥がうずくのが分かった。 あとで説明するというライの言葉を信じて、私は私の欲望のままライを受け入れて、しがみつく。 (むさぼ)るようなくちづけを交わしながら、繋がって、揺れる行為。 いやらしく耳を侵す水音も、私の内側をこする刺激も。 当たり前の恋人同士のソレなのに。 ───私とライって、何が違うの? 頭の片隅で冷静な私が疑問に思う一方で、私は私のなかの本能に従い、身体を埋めつくす心地よい波に自分をゆだねていた。
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