異種接近交遊 Part.2『交接』

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自分の首の後ろに手を伸ばしたライがファスナーに触れ、カチッと小さな金属音が響く。 彼を見つめたままの私の目に、グラデーションが複雑に絡み合うような、そんな色彩の変化が起こった。 「……は? ウソでしょ……」 ライがいた、その場所に、ライと同じポーズをした存在。 黄褐色の毛並みと、ピンと真っすぐに立った耳。一対の茶色い瞳。 突き出た鼻と、その横にあるヒゲ。 「コレが、僕の真実(ほんとう)の姿です。 ───どう思います? 秋良さん」 短い毛に覆われた二の腕と、その先にある大きな手。見せつけるように、にゅっと飛び出す、肉食獣の爪先。 私は、私の心臓がこれでもかという勢いで激しく脈打つのを感じた。 「ごめん……! 吐きそう……!」 思わず、口もとを手で覆う。 だって、ナニ、その姿。それって、アレじゃん。 この地球の、この日本の、ヲタク界隈(かいわい)で言われるところの───。 「獣人じゃん!! え? 何科? ネコにもイヌにも見える!!」 興奮して、興奮しすぎて、心臓ヤバい。 やだ、死にそう! 頭がバカになってきた! 興奮冷めやらない私の前で、至って冷静に正体を明かしたライが自分の姿を見下ろす。 「一応、見た目はドーベルマンに近いのかな。でも、特性とか」 「ごめん! ギュッってしても、いい!?」
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