異種接近交遊 Part.2『交接』

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「幸いなことに、地球人に害のあるモノは持ってないって“入星検査”で判明してます、僕は」 「僕は……って」 「だから、気をつけてください? 普通に、梅毒とかも気をつけなきゃいけないのに、なんか広まってますよね、今この国」 ……ああ、昨日、テレビのニュースで観たし、聞いた。 梅毒に(おか)された男の話を、漫画の神様の作品で読んだの思いだしたっけ。 無防備セックス駄目絶対! って、思ったもんね。 あ。そういえば、ライ普通に付けてくれてたけど。 「アレって、避妊ていうより、感染予防の意味合いになるの?」 「あはは、突っ込みますね、秋良さん」 茶化すライに、私は眉を寄せる。 「あのね、生きる上でと自分の身体を守る意味で結構重要なんだよ、コンドームって」 「解ってますよ。だから、犬とか猫とかにキスしちゃダメですよ、な例え話もしたんですから」 そうじゃなくて、と、ライは至って真面目な顔になって、私の手に自分の手を重ねた。 「秋良さん。僕との間に、子供、欲しいですか?」 「へっ?」 唐突な質問ではあるけれど、的外れな問いかけではないのに。 私は、一瞬、言葉につまった。 「……ごめん。いまは、そこまで考えてない」 「はい。僕も、そこまで考えてはないです」
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