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差別論者っているよね、あー、ヤダヤダ。
……なんて心で思って、適当にご婦人の話に相づちうってたに違いない。
私は所詮、そういうエセ正義の小市民だ。
「困った御婦人ですね。秋良さんをこんなふうに泣かせて」
でも、と、ライが私の両方の目じりに唇を寄せる。
「僕のために怒ってくれて、ありがとうございます。
僕も、秋良さん大好きなので、そんな大好きな秋良さんを泣かせた諸悪の根源を絶ちますね」
「……なに? どういう意味?」
ライが放った言葉がなんだか不穏な気がして、怒りも涙も吹き飛んでしまい、思わず彼を見上げた。
にっこりと笑ってみせたあと、ポケットからスマホを取り出すライ。
「───あ、ジンさん。ちょっと調べて欲しいことと、お願いが幾つか。
……いやだな、もちろん『調査』の一貫ですよ」
心底愉しそうに告げるライの様子に、私は私の直感が正しかったことに気づく。
そしてそれは、数日後、確信に変わったのだった。
「コレ、秋良さんにあげますね」
「えっ。いいの?」
ライとの交流きっかけになった呪いを廻るアニメ(なんかこういうと昔流行ったホラー映画のキーワードに近いな)のコラボグッズ欲しさに、ライと行ったファミレスから帰ったあと。
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