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「結局───いまはまだ、子供が欲しいとは考えられないなってところに、落ち着いた」
そう。正直、アラフォーだし。
仮にライとの間に子供を授かったからといって、産むのも育てるのも、いろいろと厳しい。
普通……って言い方はしたくないけど。この場合、言うしかないから言うけど。
普通に、地球人同士で子供を授かったって、いまの日本、この地球の環境を考えても、いろいろ難しいと思うし。
「……秋良さんは、そう言うと思ってました」
私の言葉にいちいち真剣にうなずいてたライが、私の結論と共に、微笑む。
「いろんなこと、いろんな方面から考える女性ですからね。安易に『生みたい!』とは言わないだろうな、と」
……過大評価だ。
私は、頭でいろいろ考えすぎて、石橋を叩いて叩いて叩きまくって、石橋を壊してしまうような女なんだから。
少しふてくされた気分で、正座をといて、横を向く。
「考えすぎの、頭でっかちの女なのよ。だから売れ残ってるの」
「あぁ、なるほど。秋良さんには福があるってことですね?」
「もうっ、そんなフォローいいから」
くすっと笑って私の自虐発言を聞き流し、ライが私の身体を後ろから抱きしめる。
「でも、おかげでいま、僕はこうして秋良さんと一緒にいれて、すごく幸せです」
……なにその、ものすごく素直な殺し文句。
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