傘はいらない

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「あー、やっと、聞けた。嬉しすぎる、」 安心したような声色で、話す利樹。 「〜〜っ、やっとって、」 「枝乃が俺のこと好きなのは、 なんとなく気づいてたからやっと、かな」 雨の中2人で相合傘して、 抱きしめ合ってるとか、すごいドキドキするっ。 それに、利樹の伸びた身長を実感してしまう。 「.........、私は知らなかった、」 「だろーね。枝乃、そういうの鈍感だし」 「ぅ、気をつけ、ます?」 「ははっ、なんだそれ」 利樹が傘を持ってこないのは、 どうせ、わざとだろうって思ってたのに。 ちゃんと理由があることを、 知れて良かったと思うんだけど............ 「でも、利樹、傘買わないの?」 「え、いまさら?つーか、 余計に、傘はいらないって思ってるけど?」 「え、なぜ!?」 「俺ら、両想いになったから、 これからは、合法的に一生相合傘し放題!」 利樹は、一生〝傘はいらない〟らしい。 だって、私が傘を持ってきて、 ──────ずっと、相合傘するから☔️ fin.
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