雨が降るたび

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不安すぎて、 そのままの表情で水多くんを見上げると。 「俺から告白してんのに、 そんなの、絶対になるわけないでしょ」 水多くんはそう言って、 ──────ギュッと、私を抱きしめてくれた。 でも、なんだか、 それが、凄く安心して..................... 「〜〜っ、水多、くん、」 「ん?」 「たぶん、すぐに全部忘れるっていうのは、」 「うん」 「きっと、無理だと思います、」 「うん。そーだよね、」 「でも、少しずつ、頑張ります、」 「うん。俺も頑張る。だから、まずは、 今日みたく雨が降るたび、俺と登下校して」 私は、雨の日に〝失恋〟したけど。 でも、これからは............... 「っ、水多くんと、登下校、しますっ、」 ─────雨が降るたび、前に進める気がした。 fin.
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