雨が降るたび

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──────グイッ! と、腕を引っ張られる感覚がして。 「っと、宮瀬さんって、 雨が降るたび、浮かない顔してるよね」 気づけば、誰もいない曲がり角にいて。 それと同時に聞こえてきた、 今にも消えそうな小さな声。 驚いて振り返ればそこにいたのは......... 「.........えっと、水多くん......だっけ?」 たぶん、クラスメイトの男の子。 合ってる気もするけど、 半信半疑でうる覚えの名前を呼んだ。 「そっ、せーかい! 俺、水多友哉ね。よく、湊斗とつるんでる」 あっ、合ってたみたいだ、 水多くんこと、水多友哉(みずたともや)くん。 月原くんに片想いしてたから、 話したことはないけど、月原くんの近くにいて、 人気者の男の子っていうのは知っている。 .........って、私なんかと住む世界の違う人だけど。
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