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倉本くんと別れてから、
智くんが1人で住んでいるマンションへとやってきた。
そして、リビングの、
テーブルを挟むように座っている私たち。
(ぅ、きんちょう、しちゃう、)
緊張で手汗が出そうになっていると。
「で?今日、いただろ」
正面から真っ直ぐ、
私を見つめて言う智くん。
こっ、これは、
バレてはいけない............っ。
「.........ぅ、どこにもいない、よ、」
「いや、いただろ、舞台挨拶」
「............い、イナイ、です、」
「ははっ。隠すの下手かよ」
でも、そんな私の願い虚しく、
智くんは、気づいてしまった。
「ぅ、智くんが鋭すぎるのっ!」
「ははっ、そーかも?」
智くんは私よりも年上の、23歳。
笑い方も、面影があるのに、
今ではもう、大人で追いつけない人。
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